84 Johannes Brahms: The Complete Piano Trios (Piano Trio No. 1 in B Major, Op. 8 - versions from 1889 & 1854, Piano Trio No. 2 in C Major, Op. 87 & Piano Trio No. 3 in C Minor, Op. 101)
トリオ・テストーレ
Trio Testore
(リンクから音源に飛びます。)
~この画面は広告です!~
私にはひとり好きなバイオリニストがいて、その方がnoteでの連載を始められていました。以前にもこのブログで書いたことがある、岡本誠司さんです。(52 反田恭平さんと若者たちの協奏曲。)
まだお若い(26歳)なのに文章も音楽同様に真摯だと思うし、クラシック音楽好きの読み物としても丁寧に表現され大変興味深いものとなっていますから、ご興味ある方は是非定期的に読んでもらえたらとても嬉しいです。(noteですのでアーティストへの支援等も可能です。)
家での練習を終えてから、風の吹くまま気の向くままに書いてみました。
— 岡本誠司/Seiji Okamoto (@seiji_vn) July 13, 2020
ブラームスのピアノ三重奏曲第1番のこと。
7月18日(土)に演奏する他の曲目についても。
20歳のブラームスと56歳のブラームス 作曲家の人生に思いを馳せる夜 WoO4|岡本誠司 - violin @seiji_vn #note https://t.co/dXXI7Z4khH
このリンク内で触れられている7月18日(土)の演奏というのは、ピアニスト反田恭平さんが主催する20代の若手綺羅星たちがが勢揃いして構成されているMLMナショナル管弦楽団内のマラソン・コンサートのことを指しています。
※この公演はオンライン(有料)で見聞きできますので、ご興味ある方はぜひそちらをどうぞ。
このコンサートが決まったとき、是非聴きに行かなくては!とチケットを取ったのですけども、それは岡本さんがブラームスのピアノ三重奏曲第1番を演奏されるから。(ピアノは当然反田さん、チェロはなんとスペシャルゲスト、宮田大さんです!)とても楽しみにしていることもあり、当日への予習としてブラームスの音源を探していたのが始まりでした。
※この公演はオンライン(有料)で見聞きできますので、ご興味ある方はぜひそちらをどうぞ。
このコンサートが決まったとき、是非聴きに行かなくては!とチケットを取ったのですけども、それは岡本さんがブラームスのピアノ三重奏曲第1番を演奏されるから。(ピアノは当然反田さん、チェロはなんとスペシャルゲスト、宮田大さんです!)とても楽しみにしていることもあり、当日への予習としてブラームスの音源を探していたのが始まりでした。
ところが岡本さんのnoteを読んでいくと、このピアノ三重奏曲第1番については、大分あとになってブラームス自身が改訂したもので、オリジナルは1854年・21歳のときの作!まさに写真の若きお姿の時。
それはブラームスがロベルトとクララ・シューマン夫妻と出会った直後の作品(以前ブログでとりあげたシューマン、ディードリッヒとの合作 74 F.A.E.ソナタは19世紀のコラボレーション! の3楽章スケルツォを作曲した翌年)だということなのです。
ではオリジナルと改訂版と、どのくらい音楽が違うものかと聴き比べをしてみたかったのですが…丁度良い塩梅のものがありました。それが今回のトリオ・テストーレによるブラームス・ピアノ三重奏曲全集となります。
ピアノ三重奏曲第1番ロ長調作品8(1891年・改訂版)
ピアノ三重奏曲第2番ハ長調 作品87(1882年)
ピアノ三重奏曲第1番ロ長調作品8(1854年・オリジナル版)
ピアノ三重奏曲第3番 ハ短調 作品101(1886年)
…さていかがでしたでしょうか?全然違うよね!!
そして私はこの、若きブラームスが作曲したオリジナル版の方に大変心惹かれてしまいました。
元々私がF.A.E.ソナタも大好きだったりすることもあると思うのですけども、オリジナル版は明らかにロマン派前期の響きをしているように感じられました。
シューマン夫妻からの影響、音楽が人から人へと脈々と伝えられていっているのだ、ということがよく分かり…また30ウン年の時間はブラームス自身の作風、または心境の変化もそうだけども、音楽流行の移り変わりも如実に示している、というのもまざまざと示しているような気がします。
21世紀の現在で言うならば…郷ひろみさんとかはそんな感じでしょうか?そういえばもう50年近く歌い踊り続けていれば、一見ご本人が変わらない感じでも表現したいものや流行そのものが変化し、そういった流れに対応されている所もあるような…。
…すっかり話題が逸れてしまいました。
今回岡本誠司さんがコンサートで披露されるのは一般的となっている1891年の改訂版の方ですけども(これはこれで大変ブラームスらしい、加えて少し枯れた味わいも見られて魅力的な音楽ではあるのですが)岡本さんがこの1854年のオリジナル版も演奏してみたい、と仰るのもたいへん頷けます。
以前鬼気迫る、大変引き込まれたシューマンのバイオリン・ソナタ3番(1853年作。このソナタはF.A.E.ソナタの自作部分を取り入れたものになっています)を演奏されているのを私は耳にしていますから…!本当にあの時は素晴らしい時間でした。その時のことを昨日のように思い出します。
尚、岡本誠司さんの演奏を聴いてみたい方は最近MLMナショナル管弦楽団の室内楽を集めた音源もAmazonの聴き放題で聞けるようになりました。(このアルバム全般も聴かせつつ、BGM的にも充実した内容になっています)下記タイトルリンクから聴いてみて下さい。
岡本さんが参加されているのは「懐かしい土地の思い出(チャイコフスキー)」「パッサカリア(ヘンデル)」「ヴァイオリンと管弦楽のためのロマンス第2番 ヘ長調 Op.50(ベートーヴェン)」です。どれも素敵な演奏ですけども、私は特にパッサカリアの、「明暗を音で表したようなような佇まい」がとても好きです。
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